令和6年与党税制改正大綱が公表。中小企業の場合の賃上げ促進税制はどうなる?

■「えるぼし」「くるみん」がプラス要素に

2023年12月14日、令和6年度税制改正大綱が自民党の総務会にて了承されました。さまざまなトピックが盛り込まれていますが、その中の一つが賃上げです。同大綱では賃上げ・投資促進のための減税措置(主に税額控除)が複数盛り込まれています。

前提となる知識として、中小企業向け賃上げ促進税制がどんな制度かをおさらいしておきましょう。一言でいうと、中小企業者等が前年度より給与等を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税(個人事業主の場合は所得税)から控除できる制度です。令和4年4月1日から令和6年3月31日までの期間内に開始する各事業年度においては、「雇用者給与等支給額が前年度と比べて1.5%以上増加」した場合に給与等の増加分に対して15%の控除が受けられました。

ここからさらに「雇用者給与等支給額が前年度と比べて2.5%以上増加」すれば15%、「教育訓練費の額が前年度と比べて10%以上増加」すれば10%控除率が上乗せされます。つまり、最大で40%の控除が受けられる仕組みです。

令和6年税制改正大綱ではこれらに加え、女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし認定)や次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみん認定)の取得により、さらに5%控除率が上乗せされます。子育てと仕事の両立支援や女性活躍の推進の取り組みを後押しするための制度です。

■繰越控除も導入。公的制度も利用して賃上げを目指そう

加えて、令和6年税制改正対応では、繰越控除制度の導入も盛り込まれました。前提として、赤字企業(欠損法人)である場合、法人税の支払い義務がないため税額控除の恩恵にもあずかれません。

このことが、赤字企業において賃上げ促進税制の導入が進まない一因になっていたことも踏まえ、当期に控除できなかった税額控除の額を、5年間にわたって繰り越せるようになります。つまり、赤字の当期に賃上げをし、税額控除の権利を得れば、翌期以降の黒字分を控除で相殺し、法人税の減税が可能です。

ここまでの内容にもあるように、賃上げをすることは税額を減らすことになるうえに、従業員の満足度を高めるという意味でも大変有意義です。しかし実際は「賃上げをしたいのはやまやまだけど、何をすれば良いかわからなくて」と悩む事業主の方も多いのではないでしょうか?業務改善助成金やキャリアアップ助成金、企業活力強化貸付など、中小企業が賃上げに利用できる公的な制度は複数あります。賃上げ促進税制の導入を見据えて環境整備に取り組みたい事業主の方は、税理士にまずはご相談してみてはいかがでしょうか。

※参考URL※

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai/chinnagesokushin04gudebook.pdf

https://www.ntt.com/bizon/d/00513.html

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