昔出した申告書を確認したい!申告書等情報取得サービスを使おう
従来から知る方法はあったものの
過去に提出した申告書を確認したいと思っても、常に控えを整理してあるとは限りません。
そのような場合、閲覧請求か開示請求を利用して確認するのが一般的な方法でした。
閲覧請求とは、納税者本人または代理人が税務署に出向き、窓口で過去に提出した申告書を閲覧させてもらうことです。メモ、写真撮影はできますが、紙面で何かをもらうことはできません。あくまで「どんなことを書いていたか」を知るための方法と考えたほうが良いでしょう。
一方、開示請求とは「保有個人情報開示請求書」を提出し、確定申告の控えを受け取る方法を指します。申告書の控えを紙でもらうことができますが、通常2週間から1カ月かかるため「すぐに手に入れたい」という場合には向いていません。
いずれにしても、税務署に自分や代理人(顧問税理士や家族など)が出向かなくてはいけないため、平日仕事をしている人にはハードルが高い方法でした。納税者にとってはあまり使い勝手がよくなかったのも事実です。
申告書等情報取得サービスでずっと便利に
しかし、新たに始まった申告書等情報取得サービス[1] により、確認のハードルが下がっています。
申告書等情報取得サービスとは、簡単に言うとe-Taxを経由して過去に提出した申告書のPDFファイルを取得できるサービスです。[2] 書面またはe-Taxにより提出した所得税及び復興特別所得税確定(修正)申告書、青色申告決算書、収支内訳書のPDFファイルがダウンロードできます。
申告書等情報取得サービスはパソコン、スマートフォンから利用可能です。申請からダウンロードまでの手順はe-TaxのWebサイトで確認できるので、実際にやってみると良いでしょう。
なお、対象となるのは直近3年分(令和2年以降)です。申告書等情報取得サービスの利用に当たってはマイナンバーカードが必要なので、用意しておきましょう。また、申請からPDFファイルの取得までには、数日間かかるので注意が必要です。
あくまで「自分がどんな申告書を出していたか確かめる」目的であればかなり便利になります。
一方で、直近3年分までしか対象となっていなかったり、代理人や相続人は利用できなかったりなど、従来からある制度にかなわない部分もあるでしょう。もし、過去の確定申告書を確認したいけど、自分が税務署に出向くのが難しい場合は、顧問税理士にも相談し、うまく連携するのをおすすめします。