バイト増やせるかも?被扶養者認定における年間収入要件が引き上げへ

子どものバイトで親の税金が増える?

お子さんが大学生、短大生、専門学校生など高校卒業後に通っている家庭ならではの悩みとして「子どもがアルバイトしすぎて扶養から外れる」が挙げられます。ここでいう「扶養」とは税法上の扶養と社会保険上の扶養の両方を指しますが、いずれにしても働き過ぎると影響が及ぶことに変わりはありません。

まず、税法上の扶養についてですが、子どもの年収が123万円以下であれば、親は特定扶養控除を使えるため、一定の節税効果が見込めます。しかし、123万円を超えてしまうと特定扶養控除が使えなくなるため、親が支払うべき税金が増えかねません。具体的な金額は家族構成や親の年収によっても異なるため一概には言えませんが、年間で10万円以上増える可能性も出てきます。ひとり親(シングルマザー・ファーザーの世帯)の場合、さらに税金が増える可能性があるため注意が必要です。

また、社会保険上の扶養についても考えなくてはいけません。令和7(2025)年9月30日までは、年間収入が130万円(障害者の場合は年間収入180万円)未満かつ、収入が被扶養者の収入もしくは仕送り額の半額未満であれば、社会保険上の扶養家族として認定されました。つまり、子どもは基本的に親の勤務先の社会保険に扶養家族として入ることになるため、自分で勤務先の社会保険に入る必要はないということです。

年収150万円までなら社会保険上の扶養は外れないことに

逆に、年間収入が130万円を超えてしまうと、子どもが自分で勤務先(バイト先)を通じて社会保険に加入する必要が出てきました。つまり、子ども自身が社会保険料を払うことになるため、かえって手取りが減りかねない結果になっていたということです。

しかし、令和7(2025)年10月1日からはこの収入要件が大幅に緩和されます。これまでは年間収入が130万円を超えると子どもが自分で社会保険に加入する義務が生じたものの、そのボーダーラインが150万円にまで引き上げられたのです。つまり、年収150万円までであれば、税法上の扶養は外れるものの、社会保険上の扶養からは外れることはありません。

昨今は人手不足なうえに、すべての都道府県で最低賃金が値上がり傾向にあることから、大学生でもアルバイトを頑張れば年収が100万円を突破するのは決して珍しくありません。特に、夏休みや冬休み、春休みなどの長期休暇中にまとまってバイトをすれば、150万円に届くことも十分にあり得ます。働くこと自体は悪くありませんが、体調に気を付けるよう伝えるとともに、税金や社会保険料の話もしてみると良いでしょう。

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