会社員のふるさと納税は要注意。ワンストップ特例制度とは?

ふるさと納税をすれば還付・控除が受けられるわけではない

ふるさと納税とは、特定の自治体に寄附をすると、翌年に所得税の還付や住民税からの控除が受けられ、かつ、返礼品が受け取れる制度です。寄附金控除の一種ですが、米・肉・魚など食品の返礼品を受け取って節約に役立てたり、限定イベント・ツアーに参加したりなど、取り入れる人も多くなっています。昨今はふるさと納税用のポータルサイトも充実しており、インターネット通販で買い物をする感覚で利用可能です。

ただし「ふるさと納税をするだけでは、所得税の還付や住民税からの控除は受けられない」ことに注意しなくてはいけません。ふるさと納税をした年の翌年に、寄附金受領証明書、対象期間の源泉徴収票(給与所得者の場合)、還付金の受け取り口座の情報がわかるもの(キャッシュカードなど)、マイナンバーカードを揃えて確定申告をする必要があります。

フリーランスで仕事をしている個人事業主など、もともと確定申告をする必要がある立場の人なら、特段問題ないでしょう。しかし、会社員や公務員などの給与所得者の場合、給与から所得税・住民税が源泉徴収されるため、医療費控除を受けるなど理由がないと確定申告をしないのが実情です。面倒くさいからといって確定申告をしないと、ふるさと納税による恩恵を受けられないので注意しましょう。

ワンストップ特例制度を使おう

実は、確定申告をせずにふるさと納税による所得税の還付や住民税からの控除を受けるための方法として、ワンストップ特例制度が設けられています。これは、以下の条件を満たす場合に利用できる制度です。

  • 確定申告をする必要がない
  • 1年間での寄附先が5自治体以内

2つの条件を満たせば、翌年の1月10日までに申請を行うことで、住民税からの控除が受けられるようになります。確定申告をした場合とは異なり、所得税の還付は受けられません。

なお、申請はオンラインもしくは郵送で行いますが、郵送の場合、1月10日までに書類が到着している必要があります。期限に間に合いそうにない場合は確定申告もしくは、オンラインでの申請を選びましょう。

また、会社員や公務員などの給与所得者であっても、1年間での寄附先が6自治体以上となる場合は確定申告をしなくてはいけません。ただし、あくまで「寄附先となった自治体の数」が基準となるため、1年間で6回以上の寄附をしたとしても、自治体の数は5自治体以下だった場合はワンストップ特例制度が利用できます。

ふるさと納税は自分や家族が育った場所など、思い入れのある自治体に寄附できるうえに、返礼品も受け取れる便利な制度です。しかし、よく知らないで利用してしまうとかえって損をしかねません。分からない場合は税理士などの専門家や税務署に聞いて、疑問を解消しておきましょう。

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