新型コロナによる申告期限の個別延長。より簡便な方法も利用可能に
わりと幅広い状況で個別延長は認められる
2020年1月に新型コロナウイルス感染症の発生が報道されてから2年以上経過しました。
ワクチンの接種、治療薬の承認など明るい話題もありますが、変異株の出現による大規模な学級閉鎖などまだまだ頭の痛い状況は続きそうです。
このような状況下において、国税庁は公式Webサイトの「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」を更新しました。
簡単にまとめると「やむを得ない理由がある場合は、申告期限を個別に延長することができる」というものです。
まず、やむを得ない理由として「感染症にかかった」「発熱しているなど、感染した疑いがある」「濃厚接触者になった」「基礎疾患があるため重症化リスクが高い」などが挙げられています。
また、顧問税理士や経理責任者が感染者・濃厚接触者になった場合や、学校・保育園が休校になり経理担当者が業務を進められない場合も「やむを得ない理由」に含まれるのです。
これらの理由により、申告書・決算書類など必要な書類の作成が遅れ、期限通りに申告・納付を行うことができない場合は、期限の個別延長が認められます。
個別延長を認めてもらうには?
申告期限の個別延長を認めてもらう方法ですが、所轄税務署長に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出し、その承認を受けるのが原則です。
承認を受けられれば、その理由が止んだ日(例:濃厚接触者として認定されたものの、自宅待機期間が終了した)から2ヵ月以内の範囲で個別指定による期限延長が認められます。
ただし、申告所得税、贈与税、個人事業者の消費税の確定申告については扱いが異なります。
2022年3月15日(消費税は同年3月31日)の期限までに申告が困難な場合、同年4月15日までの間であれば、申告書の余白(e-Taxの場合は所定欄への入力)に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と付記すれば足りるのです。
ただし、4月16日以降に申告期限の個別延長の手続きをする場合は、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出する方法によります。
なお、法人税・相続税といったその他の税目についても、申告書の右上の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載すれば、期限を延長することが可能です。
e-Taxを用いる場合は、「電子申告及び申請・届け出名」欄又は「添付書類名」欄に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と入力し、e-Tax申告書と同時送信しましょう。