キャッシュレス還元終了後はキャッシュレスを続けるべき?続けるメリットとデメリットをまとめてみた
2019年10月から始まった「キャッシュレス・消費者還元事業」。これは本来、2020年6月までの期間限定の事業でした。しかし、この事業が導入されることをきっかけに、今まで現金決済しかできなかったお店や会社(=事業所)にも、キャッシュレス決済ができる機材が導入されるのは珍しくなくなりました。
そこで「キャッシュレス・消費者還元事業が終了した後はキャッシュレスを続けるべき?」という疑問に対し、続けるメリットとデメリットを踏まえた上で、考えてみましょう。
1.キャッシュレスを続けるメリット
最初に、キャッシュレスを続けるメリットとして1)機会損失を減らす、2)衛生上の観点からも歓迎される、の2点を解説します。
1-1.機会損失を減らす
キャッシュレス決済のメリットとして「手持ちの現金がなくても支払いができる」ことが挙げられます。そのため、防犯上の観点から高額の商品をキャッシュレス決済で購入する人は少なくありません。また、通信販売など対面取引を伴わない場合も、銀行口座への振込に比べて手数料や手間がかからないことから、キャッシュレス決済を選択する人は多いです。それにも関わらず、現金決済以外受け付けていないとすると「あのお店は現金しか受け付けてくれないから」と、避けられる要因になりかねません。「キャッシュレス決済ができないためお客さんを取りこぼす」という機会損失を避ける意味で、キャッシュレス決済の導入は有効でしょう。
1-2.衛生上の観点からも歓迎される
2020年に入って世界的に大流行している新型コロナウイルスによる感染症は、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。その中の1つが「現金を素手で取り扱うことのリスク」です。大手都市銀行の支店で現金の集計を伴う業務に従事していた行員が新型コロナウイルスに感染したという報道がなされたことで、「現金を扱うこと」に対し、心理的な抵抗を覚える人が出てきたのも事実でしょう。このため、今まで支払いに現金を使っていた人でも、クレジットカードなどのキャッシュレス決済に切り替えているのは珍しくありません。キャッシュレス決済の機会を保つことは、衛生上の観点からも歓迎されるでしょう。
2.キャッシュレス決済のデメリット
一方、現状においてキャッシュレス決済を導入している事業者にとってのキャッシュレス決済のデメリットとして挙げられるのが「手数料の高さ」です。この点についても解説しましょう。
2-1.手数料負担と便利さはトレードオフ
利用しているキャッシュレス決済業者によっても差はありますが、キャッシュレス決済を利用していくには、毎月所定の手数料を支払わないといけません。つまり、その分利益が減ることになるので、資金が潤沢でない中小事業者にとっては、毎月の手数料負担にどれだけ耐えられるかが、キャッシュレス決済を続けるかどうかの判断の分かれ目になります。裏を返せば、キャッシュレス決済を導入したら売上が劇的に上がったなど、目に見えた効果がない場合は、手数料負担も考えて取りやめるのも1つの選択肢になり得るでしょう。